一話
女って、めんどくさい。
主に化粧とかそういう、なに?準備的なものが。
「うげぇー、ヌーブラきもちわりぃ。」
このべたっとする感じがめちゃくちゃ気持ちわりぃ、やなんだよなぁ
貼ってすぐとかめっちゃヒヤッとするし、いやそれは俺の保存環境が悪いんだけどさ。
「ろー子ちゃーん、まぁだぁ?」
「ちょ、おじママ!まだ開けないでって・・・!!」
「なによもう、生娘みたいなリアクションしちゃって・・・もしかして目覚めたの!?いやーん!!」
「目覚めてません!!!またあんたって人は!!!」
この、人が慣れない装備品(?)に混乱している最中、全く遠慮なく更衣室のカーテンを開けてきたのはきゃりーさん。
通称「おじママ」である。
一応、俺が今お世話になってるオカマバー「チョモランマ」のママ。
がっつりオカマ。
見た目こそ割と綺麗めで、ドレスとかも似合うと、思う。いや似合っちゃダメでしょ。
けどさーその、声が低すぎる。
「おじママぁ~、ストッキングまた伝線しちゃったから新しいのくれなぁい?」
「はぁん!?あっんた・・・スネ毛の処理が甘いって何度言えばわかんのよブスね!次やったら永久脱毛の刑よ!!!」
「ちょ、待って!スネ毛永久脱毛はホントやめて、これでも剃ってんのよぉ~」
奥から出てきたどう見てもプロレスラーなダミ声顔面コ●ジーはアキさん。
おじママと同じくここのオカマさん。趣味は筋トレ。顔面がコー〇ー冨〇に似てるという理由でこじ美と呼ばれている、客からも呼ばれる、機嫌が悪いと殴る。
面倒見が良くてこの人にもお世話になってるんだけど、ストッキングの消費量が尋常ではない。
そんなに破くならもういっそパンツスタイルにすればいいのに・・・なんでミニスカに拘るんだろう・・・・。
「ろー子ちゃん大丈夫?着替え慣れないと大変よね、手伝うよ。」
「た・・・たむ美さん・・・。」
「あの、たむ美じゃなくてその、うううん・・・。」
この大人しそうな人は叶萌(かなめ)さん。
唯一の常識人と言っていい、チョモランマの良心。
なんでか「たむ美」って呼ばれてるから俺もたむ美って呼んでるけどたむってなんなんだ?
店の雑用とか経理とかそういった事を一切合切(押し付けられ)やってくれているそうで
多分その、不遇体質なんだろうな。俺が言うのもなんだけど!
そうこうしているうちにおじママとこじ美さんのスネ毛大戦が終った様だ、こじ美さんの脚がなんか若干赤いけどつるつるになってる・・・あれかな、ガムテープでやられたのかな・・・。
お「そろそろ開店の時間よ、さっ、しっかり稼ぐわよ!」
こ「太ももの付け根がめっちゃヒリヒリするぅ・・・・。」
た「え、そこまでやられたの!?」
ろ「だからミニスカやめればいいのに。」